TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始 その4

KT-6005 Tuner

電源トラブル
部品交換後、念のため音出しテストを実施したが、残念ながら受信は確認できなかった。
当初は RF部および IF部の再調整が必要と考えていたが、確認を進める中で電源系に異常があることが判明した。

パワーサプライの出力電圧を測定したところ、本来 13.5V 出力されるべき +14Vラインが約 4V しか出ていない状態であった。
このため、まず電源回路自体の不具合を疑い、ツェナーダイオード、パワートランジスタ、整流ダイオードについてテスターによる簡易チェック(順方向/逆方向)を行ったが、いずれも明らかな異常は見られなかった。

次に負荷側の影響を切り分けるため +14Vラインを一旦すべて切り離した状態で再測定したところ、電圧は既定値である 13.5V に正常復帰することを確認した。
さらに調査を進め IF基板へ供給されている +14Vラインのみを切り離した状態で測定したところ、この場合も電圧が 13.5V に復帰することが確認できた。

以上の結果から、電源回路そのものには大きな問題はなく IF基板内で +14Vラインがショート、もしくは異常に重い負荷状態になっている可能性が極めて高いと判断した。今後は IF基板を重点的に調査していく。

TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始 その3

KT-6005 TunerKT-6005 TunerKT-6005 Tuner
KT-6005 Tuner

ゲルマニウムダイオードと半固定抵抗の交換作業を行った。
部品交換後に音出しテストを実施したものの、残念ながら AM/FM ともに受信を確認することはできなかった。
交換した部品については、品番や極性、取り付け状態を一つひとつ確認しており、作業自体に問題はないと考えている。
この状況から判断すると RF部および IF部の再調整が必要そうだ。
ただし、現時点では調整マニュアルを入手できていないため、無理な調整は行わず、マニュアル入手後にあらためて再チャレンジする予定である。

一方で外観面はさらに改善した。
フロントパネルをポリッシュで丁寧に磨いたところ、見違えるほど綺麗になり、作業のモチベーションも上がった。

TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始 その2

TRIO KT-6005
交換予定のコンデンサや半固定抵抗TRIO KT-6005
フロントパネルの取り外しTRIO KT-6005
クリーニング前のバックライトスケールTRIO KT-6005
基板清掃後に電解コンデンサを交換TRIO KT-6005
パワーサプライ基板のコンデンサ交換

分解清掃と部品交換作業
本格的な部品交換に入る前に、まずは外装および内部の清掃を行った。
フロントパネル、バックライト用スケール、ガラス類を取り外し、長年の汚れを丁寧に落としていく。外観の状態が良い個体だけに、清掃後は見違えるように印象が良くなった。
内部については、基板上に堆積したホコリを中心に、綿棒を使って慎重に清掃を実施。無理にこすらず、部品や配線を傷めないよう注意しながら作業を進めた。

清掃と並行して、交換予定の電解コンデンサおよびダイオード類を順次取り外していく。
今回は、すでに手元に部品がそろっているものを優先し、発注済みのゲルマニウムダイオードと半固定抵抗を除く部品の交換を完了した。

まずは電源系とオーディオ回路周辺の健全化が完了した形となる。
残る部品が届き次第、引き続き作業を進めていく予定だ。

交換部品
タンタル電解コンデンサ 35V 0.22μF x 2 @42 共立エレショップ
電解コンデンサ 50V 1μF x 5 @10 共立エレショップ
電解コンデンサ 25V 10μF x 9 @18 共立エレショップ
シリコンダイオード 1S1555 x 4 @330(100P) 共立エレショップ
セラミックコンデンサ 1,000V 0.01μF x 2 @55 海神無線
電解コンデンサ 50V 3.3μF x 6 @32 海神無線
電解コンデンサ 50V 1,000μF x 2 @161 海神無線
電解コンデンサ 25V 220μF x 1 @68 海神無線
電解コンデンサ 35V 330μF x 3 @105 海神無線
電解コンデンサ 25V 47μF x 1 @25 海神無線
半固定抵抗 0.75W 500Ω x 2 @524 海神無線
半固定抵抗 0.75W 100KΩ x 2 @524 海神無線
半固定抵抗 0.75W 20KΩ x 1 @524 海神無線
半固定抵抗 0.75W 5KΩ x 1 @524 海神無線
ゲルマニウムダイオード 1N60 x 22 @46 Yahooオークション

TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始

TORIO KT-6005TORIO KT-6005
TORIO KT-6005

1972年発売の TRIO(現 KENWOOD)FM/AM チューナー KT-6005 を格安で入手することができた。
製造からすでに 50年以上が経過している個体だが、外観のコンディションは良好で、年式を考えると非常に状態が良い部類に入る。
一方、カバーを開けて内部を確認すると、さすがに相当な汚れが蓄積している。
長年の保管によるホコリや経年変化は避けられないようだ。

現状の動作確認
電源を入れてみたところ
・パイロットランプ切れは無し
・AM: 音が出ない
・FM: 片チャンネルのみ、かすかに音が出るが感度は非常に悪い
という状態だった。
とりあえず「完全な不動」ではないものの、まともに聴ける状態とは言えない。

電解コンデンサの状態を確認
TORIO KT-6005
3.3μF のコンデンサ容量を検査・・・なんと測定値は 5μF

まずは基本中の基本として、いくつかの電解コンデンサの静電容量を測定してみた。
表記容量に対して 20%~50% 以上大きな値を示すものが多数という結果になった。新品の電解コンデンサでは ±20% 程度に収まることを考えると、明らかに異常だ。加えて、ゲルマニウムダイオードの検査では、順方向電圧が 4.00V 以上の劣化素子が半分以上あった。

なぜ容量が「増えて」表示されるのか
実際に静電容量が増えているわけではなく
・経時変化による 電解液の分解
・誘電体酸化皮膜の劣化
・内部抵抗(ESR)の増加
・漏れ電流の増大
といった劣化が進行し、測定器がそれらの成分を容量として誤認識していると考えられる。
つまり、表示上は容量が大きく見えても、本来のコンデンサとしての性能は大きく低下している可能性が高い。

今後の整備方針
今回のレストアでは以下の部品を交換対象とした。
・電解コンデンサ全数
・経年劣化が疑われる半固定抵抗全数
・特性変化が起きやすいゲルマニウムダイオード全数

まずは電源系とオーディオ / MPX 周りの健全化を行い、その後に受信性能や音質の回復具合を確認していきたい。

回路図面はネットで見つけた輸出仕様のものを利用する。手元の回路図と比較して実装されているモジュールナンバーは異なるものがあった。
・RF基板 回路図面: X01-1050-10 実装:
・IF基板 回路図面: X02-1020-10 実装: X02-1020-枝番なし
・MPX基板 回路図面: X04-1010-11 実装: X04-1010-10
・PRE AMP基板 回路図面: X08-1090-10 実装: X08-1090-10
・POWER基板 回路図面: X00-1160-10 or 01 実装: X00-1160-10

 

 

 

派手さはいらない・・・オーディオセレクタの制作 (完成)

complete03
complete02complete04
complete01

必要な部品がすべてそろったため、いよいよ配線作業に取りかかった。
作業自体は単純だが、ロータリースイッチ周りは端子間隔が狭く、配線には思いのほか神経を使った。
一通り配線を終えた後、接続ミスがないかを慎重にチェックしたところ、一箇所に接続ミスを発見。
すぐに修復を行い、あらためて確認した結果、問題なく動作することを確認できた。
派手な仕上がりではないが、実用一点張りのオーディオセレクタとしては十分。
全体として、満足のいく完成度になった。