
ドレスアップ第五弾は、フロントパネルのオリジナルレタリング制作である。
前回は、銅板をエッチングしてオリジナルの銘板を制作した。今回は、その経験を生かし、フロントパネルの機能表示をアルミパネルへ直接エッチングすることに挑戦した。
事前に調べてみると、アルミは銅板とは異なり、塩化第二鉄溶液によるエッチングには適していないことが分かった。そのため、今回は電解エッチングを採用することにした。
本来であれば、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を用いた方法も試したかったが、入手性や取り扱いの安全性を考慮し断念した。
そこで、電解液にはコストと入手性を優先し、市販の酸素系消臭漂白剤に含まれる炭酸ナトリウムを使用した。
アルミの電解エッチングは、印加電圧、エッチング時間、電解液の濃度、電極間隔など、わずかな条件の違いで仕上がりが大きく変化する。端材を使って条件を一つひとつ確認しながら最適な組み合わせを探る作業は、まさに根気との勝負であった。
さらに苦労したのが、アイロンを使ったトナー転写である。アルミ板(6mm厚)への転写は銅板以上に難しく、思うように転写できず何度もやり直すことになった。
試行錯誤の末に条件が固まり、本番のエッチングを実施した。しかし、彫り込みの深さは約 0.05mm が限界であった。この深さでは文字への黒色塗装はかえって仕上がりを損ねると判断し、塗装は行わずアルミ地のままとした。
最後にアルミ板表面のへアライン処理とクリアラッカー塗装をして完了とした。
完成度は自己評価で 70点といったところだろうか。満足できる部分もあれば改善したい点も多く残った。しかし、市販オーディオ機器のような完成度には及ばないものの、自作作品として見れば十分に満足できる美しい仕上がりになったと思う。
今回の製作を通じて、アルミの電解エッチングは銅板のエッチングとは比較にならないほど難しいことを実感した。それでも、試行錯誤を重ねながら一つひとつ条件を追い込んでいく過程は DIY ならではの楽しさでもあった。苦労の末に完成したフロントパネルは、アンプにオリジナリティと高級感を与え、ドレスアップの効果を十分に実感できる仕上がりとなった。

溶剤の準備
水:1500ml 酸素系消臭漂白剤:45g
端材を使って最適な組み合わせを探る
検証した端材
本番作業:マスキング処理
印加電圧: 8V
エッチング時間: 15分
電極間隔: 30mm
完成したフロントパネル