TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始

TORIO KT-6005TORIO KT-6005
TORIO KT-6005

1972年発売の TRIO(現 KENWOOD)FM/AM チューナー KT-6005 を格安で入手することができた。
製造からすでに 50年以上が経過している個体だが、外観のコンディションは良好で、年式を考えると非常に状態が良い部類に入る。
一方、カバーを開けて内部を確認すると、さすがに相当な汚れが蓄積している。
長年の保管によるホコリや経年変化は避けられないようだ。

現状の動作確認
電源を入れてみたところ
・パイロットランプ切れは無し
・AM: 音が出ない
・FM: 片チャンネルのみ、かすかに音が出るが感度は非常に悪い
という状態だった。
とりあえず「完全な不動」ではないものの、まともに聴ける状態とは言えない。

電解コンデンサの状態を確認
TORIO KT-6005
3.3μF のコンデンサ容量を検査・・・なんと測定値は 5μF

まずは基本中の基本として、いくつかの電解コンデンサの静電容量を測定してみた。
表記容量に対して 20%~50% 以上大きな値を示すものが多数という結果になった。新品の電解コンデンサでは ±20% 程度に収まることを考えると、明らかに異常だ。加えて、ゲルマニウムダイオードの検査では、順方向電圧が 4.00V 以上の劣化素子が半分以上あった。

なぜ容量が「増えて」表示されるのか
実際に静電容量が増えているわけではなく
・経時変化による 電解液の分解
・誘電体酸化皮膜の劣化
・内部抵抗(ESR)の増加
・漏れ電流の増大
といった劣化が進行し、測定器がそれらの成分を容量として誤認識していると考えられる。
つまり、表示上は容量が大きく見えても、本来のコンデンサとしての性能は大きく低下している可能性が高い。

今後の整備方針
今回のレストアでは以下の部品を交換対象とした。
・電解コンデンサ全数
・経年劣化が疑われる半固定抵抗全数
・特性変化が起きやすいゲルマニウムダイオード全数

まずは電源系とオーディオ / MPX 周りの健全化を行い、その後に受信性能や音質の回復具合を確認していきたい。

回路図面はネットで見つけた輸出仕様のものを利用する。手元の回路図と比較して実装されているモジュールナンバーは異なるものがあった。
・RF基板 回路図面: X01-1050-10 実装:
・IF基板 回路図面: X02-1020-10 実装: X02-1020-枝番なし
・MPX基板 回路図面: X04-1010-11 実装: X04-1010-10
・PRE AMP基板 回路図面: X08-1090-10 実装: X08-1090-10
・POWER基板 回路図面: X00-1160-10 or 01 実装: X00-1160-10

 

 

 

派手さはいらない・・・オーディオセレクタの制作 (完成)

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必要な部品がすべてそろったため、いよいよ配線作業に取りかかった。
作業自体は単純だが、ロータリースイッチ周りは端子間隔が狭く、配線には思いのほか神経を使った。
一通り配線を終えた後、接続ミスがないかを慎重にチェックしたところ、一箇所に接続ミスを発見。
すぐに修復を行い、あらためて確認した結果、問題なく動作することを確認できた。
派手な仕上がりではないが、実用一点張りのオーディオセレクタとしては十分。
全体として、満足のいく完成度になった。

派手さはいらない・・・オーディオセレクタの制作 その4

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設計変更という現実
当初予定していたロータリースイッチについて、改めて仕様を精査したところ

1.  極数(回路数)が不足している
2.  定格電圧・定格電流がスピーカー出力用途として不十分
3. 切替方式が Break-Before-Make(BBM) ではない可能性がある
ことが判明した。

オーディオ用途、特にアンプ出力の切替では、必ず4極切替(L+ / L− / R+ / R−)ということでマイナス側共通は絶対にNG
BBM(Break-Before-Make)または Non-shorting 切替途中でアンプ同士が一瞬でも接続されないことが最低条件になる。この条件を満たさないスイッチを使うのは、音質以前にアンプ破損のリスクが高すぎる。
というわけで、ここは妥協せずロータリースイッチを変更することにした。

ロータリースイッチ: 東京測定器材 RS-500N1-6-2 @2,280 x 2 門田無線電機

派手さはいらない・・・オーディオセレクタの制作 その3

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部品の取付
シャーシの孔あけ作業が一通り終わったところで SP端子とロータリースイッチを取り付けてみる。
SP端子は今回、アンプ入力2系統・スピーカー出力2系統という構成のため、合計 16端子になる。
数が多い分、位置合わせとナットの締め付けだけでも一苦労だ。端子同士の間隔、工具の入り具合、配線取り回しまで考えながら作業を進める必要があり、こういう地味な工程こそ、実は一番時間がかかるが、楽しい作業だ。
ロータリースイッチも仮固定し、全体のレイアウトや操作感をこの段階で確認しておく。
ここで違和感に気づければ、後戻りはまだ容易だ。

派手さはいらない・・・オーディオセレクタの制作 その2

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シャーシの孔あけ加工に着手

まずはシャーシの孔あけ加工からだ。
今回使用するアルミケースは、出荷時から表面に保護シートが貼られており、加工中の擦り傷を防いでくれる。この手の作業では意外とありがたい。

孔位置の決定は、いきなりシャーシにケガキを入れず
1. 方眼紙に孔あけ位置を正確に作図
2. それをトレーシングペーパーに転写
3. トレーシングペーパーをアルミシャーシに貼り付け
4. 指定位置をポンチでマーキング
という手順を取った。

遠回りに見えるが、この方法だと左右のズレや寸法ミスが起きにくく、結果的に仕上がりが良くなる。
アルミ板の厚さは 1mm と薄めなので、孔あけ自体は比較的楽な部類だ。ドリル作業も無理なく進み、加工は終始スムーズだった。