300B 真空管アンプ サイドウッドパネルを固定

300B ドレスアップ
300B ドレスアップ

サイドウッドパネルの固定方法を変更

昨年、ドレスアップを目的として 300B 真空管アンプ用のサイドウッドパネルを制作した。
当初は手軽さを優先し、両面テープで簡易的に取り付けていた。
しかし、真空管アンプを持ち上げたり移動したりする際、万が一パネルが外れると大けがにつながる恐れがある。安全面に不安が残るため固定方法を見直すことにした。
そこで、サイドウッドパネルにザグリ加工を施し、ボルトによる確実な固定方式へ変更した。
ザグリ加工については、過去に ONKYO NS-6130 で施工した経験があり、今回もそのときのノウハウを活かしている。

TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始 その8

KT-6005 TunerKT-6005 Tuner
苦戦するトラブルシューティング
KT-6005 Tuner
歪んだ19kHzが「漏れ」として出現している状態

” ステレオランプが点灯しない ” のまとめ 
KT-6005 の FMステレオ復活を目的に MPX基板のトランジスタを全数交換した。しかし以下の症状が残った。
・ステレオランプが点灯しない
・条件によっては点灯するが、ステレオ状態にならない
・強電界でもミューティングが解除されない
・FM音声(モノ)は正常に出る

このため FM検波~ MPX系を中心に切り分けを行った。

1. MPX回路自体の切り分け
MPX基板上のトランジスタはすべて新品に交換済みであり、回路図上も大きな異常は見られない。
また FM OUT → MPX IN はワイヤダイレクトで 19kHz トラップ等も存在しない構成である。
このため MPX回路そのものより IF基板 FM検波出力の品質に問題がある可能性を疑った。

2. FM OUT での 19kHz を観測
以下の条件でオシロスコープ観測を行った。
観測点:FM OUT
・AC結合
・10µs/div
・20 〜 50mV/div
・強電界および確実なステレオ放送局
・比検波バランスVR(VRb2):中央

結果として
・音声信号は確認できる
・19kHzパイロット成分が確認できない
という状態だった。

これは「FM検波は成立しているが MPX に必要な複合信号帯域(~53kHz)が不足している」と推測される。

3. 比検波 IFT二次側の負荷確認
FM OUT に並列に接続されている小容量コンデンサ(100pF)を一時的に外して再確認したところ VRb2を中央から大きく外した位置では
・19kHz が観測できる
・ステレオランプが点灯する

しかし
・正規調整点(VRb2中央)では 19kHzは依然として出ない
・実際のステレオ分離は成立しない
という結果となった。

この挙動から
・比検波 IFT自体は完全に死んでいるわけではない
・二次側の帯域が著しく低下しており、設計通りの動作点が存在しない
と判断した。

4. 原因の考察
今回の症状は、以下の特徴を持つ。
・DC バランス調整は可能
・音量や歪は一見問題ない
・19kHz のみが極端に減衰
・ミューティングは常に「弱電界」と誤判定
これらは、FM検波IFT(二次側)の内部劣化
(内蔵コンデンサ劣化、Q低下、部分短絡など)でよく見られる典型的な症状のようだ。

5. 対応方針
根本対策としては
・同型機からの IF Assy の交換
が最も確実と考える。

一方で応急的、実験的な対応として FM OUT〜MPX IN間に
・小容量コンデンサ(47 ~ 100pF)を直列に追加する外付け補正
・MPX入力側での軽微な帯域補正
により、19kHzパイロットを補いステレオ復活を狙う余地がある。
日を改めて「外付け補正」による復旧を試みる方針とした。

6. 学んだこと
・ステレオランプ点灯=ステレオ成立ではない
・FMモノ音声が正常でも、検波帯域不足でステレオは成立しない
・経年機では FM検波IFT の劣化がトラブルの核心になることがある
・オシロによる 19kHz 確認は非常に有効な切り分け手段

今回のトラブルは「調整不足」ではなく、部品の健全性が設計限界を下回っていることによる問題であり、同年代の FMチューナーでは十分起こり得る症例だと感じた。

TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始 その7

KT-6005 Tuner

MPX基板のトランジスタを交換
MPX基板に実装されているトランジスタは、製造からすでに 50年以上が経過している。
今回の点検で使用されている 2SC1345 の足の表面が、ススが付着したように黒く変色していることに気づいた。

インターネット上の情報を調べると、「トランジスタの足が黒くなるのは経年劣化が進行しており、ノイズの原因になる」といった記述を多く見かける。
しかし調査を進めた結果、足の黒化自体は錫メッキの酸化によるものであり、外観だけで劣化を判断すべきではない、という結論に至った。
実際にトランジスタチェッカで測定したところ
・hFE(直流電流増幅率)
・V_BE(ベース・エミッタ間電圧)
いずれも規定値から大きく乖離しておらず、静特性的には大きな問題は見られなかった。

とはいえ、実機では動作の不安定さが確認されたため、信号系だけでなく制御系トランジスタも含め MPX基板上の全トランジスタを交換した。

交換したトランジスタ一覧
Qc1: 2SC458-D(実装 2SC1345-D) ※1 MPX初段バッファ
Qc2: 2SC458-D(実装 2SC1345-D) ※1 MPXメインアンプ
Qc3: 2SC458-D(実装 2SC1345-F) ※1 38kHz同期信号生成
Qc4: 2SC945-Q ミューティング制御
Qc5: 2SC945-Q GATE制御
Qc6: 2SC945-Q パイロット検出ロジック
Qc7: 2SC1213A-C ステレオ検出・表示
※1:2SC458-D の代替品として 2SC1815-GR を使用

2SC1815-GR x 3 @12 Yahooオークション
2SC945-Q x 3 @216 Yahooオークション
2SC1213A-C x 1 @132 Yahooオークション

TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始 その6

KT-6005 Tuner

MPX系トラブル
KT-6005 の調整マニュアルは現時点で入手の目途が立たないため、上位機種である KT-8005 の回路図および調整マニュアルを参考にして調整作業を行った。

症状
・ステレオランプが点灯しない。
※コンポジット信号をステレオ音声信号として正しくデコードできていない可能性が高い。

実施した調整内容
1. レシオ検波調整
Tune メーターを中点に設定
IF 基板の Lb3上段コア を調整
※調整中にフェライトコアの一部を破損してしまった。

2. 38kHz 調整(MPX基板)
Dc1 または Dc2 のカソードにマルチメータを接続
Lc1 および Lc2 を回して電圧が最大となる位置を確認
※コアを回しても電圧は 約 3V~10V の範囲で大きく変動して安定しなかった。
Lc4 を回してステレオランプが点灯する位置を探索したが、ランプは点灯しなかった。

調整中に発生した別の問題
調整作業の途中で、右チャンネルの音がほとんど聞こえなくなる現象が発生した。
その後 PRE-AMP基板の 1番ピンにマルチメータのテストピンをあてたタイミングで右チャンネルの音が復帰した。
この挙動から、接触不良やトランジスタ素子の劣化など、回路の不安定要因が存在すると判断した。

対応方針
不安定な動作が確認されたため MPX基板および PRE-AMP基板のトランジスタを交換することにした。
トランジスタ交換後、あらためて MPX系の調整をやり直す予定である。

TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始 その5

はんだブリッジを発見

KT-6005 Tuner
はんだミスによるブリッジKT-6005 Tuner
ブリッジ箇所修正KT-6005 Tuner
停止していた 14Vラインが復活

不具合の原因を探るため IF基板をあらためて再点検した。
まず、交換した電解コンデンサや半固定抵抗、ダイオード類のはんだ付け箇所を一つひとつ確認した。
あわせて、基板パターン同士のショートがないかも慎重にチェックした。

そして、ついに原因を発見した。
トランジスタ(2SC381)のベース接続ランド部分が隣のランド(アース)に接触していた。おそらくダイオードを交換する際に短絡させてしまったと思われる。見落としやすい箇所だが、これが不調の原因だった。
問題箇所を修復した結果、停止していた 14Vラインが無事に出力することを確認した。
長かったトラブルシュートも、ようやく一段落だ。
音出しテストを行った。ステレオランプは点灯しないものの、両チャンネルが綺麗にFM受信できていることを確認した。これは大きな改善だ。
日を改めて MPX部および IF部の調整を行う。