毎年 2月のお楽しみ ” AUDIO FESTA in NAGOYA ” に今年も足を運んだ

オーディオフェスタ・イン・ナゴヤ2026オーディオフェスタ・イン・ナゴヤ2026

会場は、昨年に引き続き ” 名古屋コンベンションホール
ちょうど開場時間と重なって到着したため、受付にはすでに長蛇の列。
オーディオファンの熱気を感じる瞬間だ。年に一度のイベントを心待ちにしていたのは、どうやら私だけではないらしい。
会場を見渡して感じたのは、来場者の年齢層。アマチュア無線のイベントと同じく、比較的年齢層は高めという印象を受けた。長年オーディオに親しんできたベテランの方々が中心という雰囲気だ。ある意味、それだけ成熟した趣味の世界なのだろう。一方で、若い世代の姿がもっと増えると、さらに活気が出るのではないかとも感じた。
会場内では各ブースを巡りながら最新機器の音を堪能。ハイエンド機を中心に個性派モデルまで、今年も実に刺激的な展示が並んでいた。

そして何より印象的だったのは Accuphase 創業者の一人・齋藤重正氏、さらに Triode の山﨑順一氏のお姿を会場でお見かけしたこと。
長年日本のオーディオ界を牽引してこられた方々が同じ空間にいるというだけで、なんとも言えない高揚感がある。こうした “ 出会い ” もイベントならではの醍醐味だろう。

今年の戦利品
抽選会で当たった『真空管アンプ読本』は思わぬ収穫。
“ 使いこなし編 ” というのがまた良い。単なるカタログ的内容ではなく、実践的なノウハウが詰まっていそうで、これからじっくり読み込むのが楽しみだ。
ステッカーもイベントの記念としてはうれしいアイテム。こういう小物は後から見返したときに、その年の空気感を思い出させてくれる。

今年も大満足のオーディオフェスタ。また来年 2月が今から待ち遠しい。

 

初めてのジョージア(4L)

4L/UN7IDW
南コーカサス三国
・ジョージア(4L)
・アルメニア(EK)
・アゼルバイジャン(4J/4K)

私にとってこのエリアは、地理的にもコンディション的にも、そしてアクティブ局の少なさという点でも、なかなかハードルの高いエンティティだ。
ヨーロッパとアジアの境界に位置するこの地域は、日本から見ると微妙な距離と方角で、運用局数も決して多くない。
そんな中、今回初めてジョージア(4L)と QSO することができた。たまたまバンドコンディションが良く、運よくタイミングが重なった。
まさに “ 出会い頭 ” のような交信だった。信号は決して強力ではなかったが、コールが拾われ、無事にコンファームすることができた。

次はアルメニアか、アゼルバイジャンか・・・またコンディションの女神に微笑んでもらえる日を気長に待ちたい。

 

300B 真空管アンプ サイドウッドパネルを固定

300B ドレスアップ
300B ドレスアップ

サイドウッドパネルの固定方法を変更

昨年、ドレスアップを目的として 300B 真空管アンプ用のサイドウッドパネルを制作した。
当初は手軽さを優先し、両面テープで簡易的に取り付けていた。
しかし、真空管アンプを持ち上げたり移動したりする際、万が一パネルが外れると大けがにつながる恐れがある。安全面に不安が残るため固定方法を見直すことにした。
そこで、サイドウッドパネルにザグリ加工を施し、ボルトによる確実な固定方式へ変更した。
ザグリ加工については、過去に ONKYO NS-6130 で施工した経験があり、今回もそのときのノウハウを活かしている。

TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始 その8

KT-6005 TunerKT-6005 Tuner
苦戦するトラブルシューティング
KT-6005 Tuner
歪んだ19kHzが「漏れ」として出現している状態

” ステレオランプが点灯しない ” のまとめ 
KT-6005 の FMステレオ復活を目的に MPX基板のトランジスタを全数交換した。しかし以下の症状が残った。
・ステレオランプが点灯しない
・条件によっては点灯するが、ステレオ状態にならない
・強電界でもミューティングが解除されない
・FM音声(モノ)は正常に出る

このため FM検波~ MPX系を中心に切り分けを行った。

1. MPX回路自体の切り分け
MPX基板上のトランジスタはすべて新品に交換済みであり、回路図上も大きな異常は見られない。
また FM OUT → MPX IN はワイヤダイレクトで 19kHz トラップ等も存在しない構成である。
このため MPX回路そのものより IF基板 FM検波出力の品質に問題がある可能性を疑った。

2. FM OUT での 19kHz を観測
以下の条件でオシロスコープ観測を行った。
観測点:FM OUT
・AC結合
・10µs/div
・20 〜 50mV/div
・強電界および確実なステレオ放送局
・比検波バランスVR(VRb2):中央

結果として
・音声信号は確認できる
・19kHzパイロット成分が確認できない
という状態だった。

これは「FM検波は成立しているが MPX に必要な複合信号帯域(~53kHz)が不足している」と推測される。

3. 比検波 IFT二次側の負荷確認
FM OUT に並列に接続されている小容量コンデンサ(100pF)を一時的に外して再確認したところ VRb2を中央から大きく外した位置では
・19kHz が観測できる
・ステレオランプが点灯する

しかし
・正規調整点(VRb2中央)では 19kHzは依然として出ない
・実際のステレオ分離は成立しない
という結果となった。

この挙動から
・比検波 IFT自体は完全に死んでいるわけではない
・二次側の帯域が著しく低下しており、設計通りの動作点が存在しない
と判断した。

4. 原因の考察
今回の症状は、以下の特徴を持つ。
・DC バランス調整は可能
・音量や歪は一見問題ない
・19kHz のみが極端に減衰
・ミューティングは常に「弱電界」と誤判定
これらは、FM検波IFT(二次側)の内部劣化
(内蔵コンデンサ劣化、Q低下、部分短絡など)でよく見られる典型的な症状のようだ。

5. 対応方針
根本対策としては
・同型機からの IF Assy の交換
が最も確実と考える。

一方で応急的、実験的な対応として FM OUT〜MPX IN間に
・小容量コンデンサ(47 ~ 100pF)を直列に追加する外付け補正
・MPX入力側での軽微な帯域補正
により、19kHzパイロットを補いステレオ復活を狙う余地がある。
日を改めて「外付け補正」による復旧を試みる方針とした。

6. 学んだこと
・ステレオランプ点灯=ステレオ成立ではない
・FMモノ音声が正常でも、検波帯域不足でステレオは成立しない
・経年機では FM検波IFT の劣化がトラブルの核心になることがある
・オシロによる 19kHz 確認は非常に有効な切り分け手段

今回のトラブルは「調整不足」ではなく、部品の健全性が設計限界を下回っていることによる問題であり、同年代の FMチューナーでは十分起こり得る症例だと感じた。

TRIO KT-6005 を入手・・・レストア開始 その7

KT-6005 Tuner

MPX基板のトランジスタを交換
MPX基板に実装されているトランジスタは、製造からすでに 50年以上が経過している。
今回の点検で使用されている 2SC1345 の足の表面が、ススが付着したように黒く変色していることに気づいた。

インターネット上の情報を調べると、「トランジスタの足が黒くなるのは経年劣化が進行しており、ノイズの原因になる」といった記述を多く見かける。
しかし調査を進めた結果、足の黒化自体は錫メッキの酸化によるものであり、外観だけで劣化を判断すべきではない、という結論に至った。
実際にトランジスタチェッカで測定したところ
・hFE(直流電流増幅率)
・V_BE(ベース・エミッタ間電圧)
いずれも規定値から大きく乖離しておらず、静特性的には大きな問題は見られなかった。

とはいえ、実機では動作の不安定さが確認されたため、信号系だけでなく制御系トランジスタも含め MPX基板上の全トランジスタを交換した。

交換したトランジスタ一覧
Qc1: 2SC458-D(実装 2SC1345-D) ※1 MPX初段バッファ
Qc2: 2SC458-D(実装 2SC1345-D) ※1 MPXメインアンプ
Qc3: 2SC458-D(実装 2SC1345-F) ※1 38kHz同期信号生成
Qc4: 2SC945-Q ミューティング制御
Qc5: 2SC945-Q GATE制御
Qc6: 2SC945-Q パイロット検出ロジック
Qc7: 2SC1213A-C ステレオ検出・表示
※1:2SC458-D の代替品として 2SC1815-GR を使用

2SC1815-GR x 3 @12 Yahooオークション
2SC945-Q x 3 @216 Yahooオークション
2SC1213A-C x 1 @132 Yahooオークション